唐津西高校の高校2年生150名に対して1時間の話をした。
僕はまだ何も成してない。
成功した経験もない。
僕が話せる話は一般的なレールからはみ出した様。
「こんな大人もいるんだ」という発見ぐらいだ。
話をするにあたって、自分の高校時代を思い出した。
10年前だ。
将来の話をした時に、周りの友達は、具体的な職業名を口にしてい気がする。
「教師になる」
「看護師になる」
「美容師になる」
僕は、その雰囲気にずっとモヤモヤしていた。
なぜ、モヤモヤしていたのかはわからない。
「大した人生経験もないのに、自分には将来の目標があるという謎の安心」を持つことが嫌だったのか。
誰かの後をなぞるような決められた無機質な人生が嫌だったのか。
とにかく、職業名を口にしたくなかった。
将来のことを考えたくなかった。
部活に熱中した。
いっそのこと、プロ野球選手になりたかった。
毎朝、誰よりも早くグラウンドに立ち練習した。
でも、僕はプロになれるほどの技術も体力も精神力もなかった。
甲子園にすら行けなかったし、最後の試合でプレーもさせてもらえなかった。
部活が終わり、いよいよ、否が応でも進路を決めないといけなくなった。
17歳の夏。
目標とする職業名を口にして、大学を決めないと行けなかった。
田舎の医者になろうと思い、地元の医学部を進路希望に書いた。
そこから毎日14時間勉強した。
移動中も全部英単語聞いて、ご飯の時間ももったいないから、昼ご飯は抜いた。
授業ですら、先生の話が遅いし、みんなに合わせるのが嫌だったので、教室を抜け出して自分で勉強した。
でも、受験に失敗した。
あのときどんな気持ちだったかは覚えてない。
そして、なんとなく地元の大学の医学部に近い学部に入った。
*
高校の時は、将来のことを考えたくなかった。
いや、正確にいうと、中途半端に将来の夢や目標の答えを出したくなかった。
自分の人生が中途半端に決まっちゃいそうで。
今の高校生は、スマホが当たり前にあって、僕たちの頃とは、また違って考える材料があるのかな。
僕は、田舎の高校だったから、周りに大人もあまり出会う機会がなかった。
あのとき、日々恐怖や葛藤を抱えながら、それでも自分の人生を生きてる大人に少しでも会えたら、また違った気がする。
そんな気持ちで、今回の60分話をした。
17歳の無限の可能性を持った150人の前に対峙した時の素直な感情を伝えたかったので、何も準備していかなかった。
マイク1本で高校生の前に立った。
*
終わったあと、インスタで、7人の生徒から、インターンしたいと個別に連絡があったのは、素直に嬉しかった。
また会えるのが楽しみだ。